- 4月にタイトル戦を控えている上野選手ですが、まずボクシングを始めたキッカケから教えてください

上野 高校時代、集団で遊んでいたんですけど一人になったときに何も出来なかったんですよ。周りに仲間がいるからデカい態度がとれていたと思い始めて「自分、精神的に弱いな」って。そんなときに『ろくでなしブルース』を読んでボクシングをやろうと思いました。

- ─始めたのはいつ頃ですか?

上野16歳の時ですね。始めた頃は高校生だったしかっこいい、モテるんじゃないかって甘い考えでした(笑)。その後、やるならプロでと考えるようになって、デビュー戦は楽勝でしたけど、2戦目から勝てなくなって、連敗したんですよ。それがすごく悔しくって「俺はもっとできる」って思っていました。結果が全然ついてこなかったんですけど、おもしろくてどんどんのめり込みましたね。それまで何事も中途半端。そこそこ運動神経も良かったので、サッカーをやっても、水泳をやってもそこそこのところまではいくんです。だから“頑張った”っていうことがなかった。なんとなくやって、なんとなく頑張る。勉強も中途半端だし、何事も中途半端。それがすごくイヤでした。20歳ぐらいになって、いろんな方の話を聞くようになって「俺も昔は…」「あの時やっていれば…」って言うんです。自分からしたら「だったらやればいいのに」って思ったんですね。自分は大人になってそう言いたくないし、子どももできて「父ちゃんボクシング続けていればチャンピオンになったよ」って言いたくない。ダメならダメで、頑張ったと言いたいからボクシングだけはちゃんと最後までやろうと20歳の時に決心しました。

- 連敗から浮上するキッカケはあったのでしょうか。

上野東京に来てから勝ちだしたことを考えると単純に甘えていたんでしょうね。実家なのでご飯もある、洗濯もしてくれる。試合中、キツいときも「判定で負けるならしょうがない」、試合が終わって控え室に戻ったらみんなが「頑張った」って迎えてくれるだろうって。でも、東京に来てその考えが変わったんですよね、「俺は何をしにここに来た」って。上京のとき、お世話になるジムの選手が専門誌に載っていたのを見て「全員潰してやる」くらいの気持ちで来ましたね。

- 生活が変わって一番の変化は?

上野 練習量でしょうね。4回戦の時に上京したので、ただがむしゃらにやってました。でもそれが自分の足りなかったところで、判定で負けたときもほとんどスプリットでした。自分の1票はそのがむしゃらさでとっていたのでしょうけど、今は頭を使わないと勝てませんから。食事も適当でしたね(笑)。普段は野菜も食べず、食べるのは減量時だけ。一応栄養の学校を卒業していますがそれを活かしきれず、ささみを食べていれば大丈夫だろうとか。

- 今も好きなものを食べるというのが食事の基本ですか?

上野今はその状況も変わり、嫁も栄養士なので考えてくれています。試合前は全部嫁がメニューを作ってくれて、食べたいものをリクエストすると油を使わず調理してくれたり、ご飯の内容はまかせています。よく出してくれるのはしらすですね。スピードとキレが僕のウリなんですが、瞬発力がつくからとスープやいろんな料理に入れてくれます。あとは基本のささみやトマト、キムチ入りのスープですかね。

- ではそのメニューもあって減量はそこまでキツくない?

上野はい。最後の1、2㎏がキツい程度ですね。水も全く飲まないわけでなく、そこまで辛いタイプではないと思います。

- ナップルについてはどんなときに飲むようにしていますか。

上野試合前というより普段の生活の中で飲んでいます。試合後は7㎏ぐらい体重が戻りますけど、ナップルを飲み始めてからは体重の戻り方も違うように思います。食べて飲んで次の日に練習するんですけど、胃に入ったものをすべてエネルギーとして使い切った感じですね。飲むタイミングは決めていませんけど、夜は炭水化物を食べないようにして、たんぱく質を摂るので、昼に飲むことが多いかもしれません。昼はラーメン、ごはん、デザートにパンを食べたりしますから(笑)。ナップルを飲んでいるジムの会員さんからは中性脂肪値が下がったという声も聞くし、身体がスッキリする感覚です。

- そのほかにコンディショニングで気をつけていることは?

上野練習前後のストレッチですね。あとは練習で無理をしなくなったことが大きな変化だと思います。これ以上ミットを打ったら痛くなるという感覚がわかるようになったし、それによってマッサージもよく行くようになりました。25歳でランキング入りしましたけど、その頃は全然気を使っていませんでしたよ。練習量が増えたというのもありますし、誰から聞いたわけでもないのですが、野球の投手はベンチに戻ると肩を冷やしていたりするじゃないですか。だから自分もやったほうがいいだろうって。遊びでやっているわけじゃないし、年齢のこともありますから。

- 身体を鍛えることが、逆に痛めつけているとも言えますからね。

上野そうなんです。昔から肩が痛くて地元の治療院に通っていたんですけど、治らなくて上京の際に改めて違う治療院で見てもらったら原因が腰にあって、そういった教訓もあってしっかりケアはしたほうが良いなって考えています。

- タイトル戦に向けてはどんな心境ですか?

上野ここまできたら単純にベルトがほしいですよね。自分は獲れないと思っていないし、大会の顔ぶれを見ても若い選手が少ないのは勢いだけじゃ勝てないってことだと思うんですよ。コンディショニングも食事も質が向上しているから30代でも全然戦える。昔は25歳がピークみたいな考え方じゃないですか。今ではサポートしてくれる方々の腕も上がってるし、20代はまだまだ下積みで30代でもっと強くなれる。別格の位置ですけど、西岡(利晃)選手が証明してくれていますからね。

- タイトル奪取後のことも見据えているのですか?

上野現時点では日本タイトルがゴールだと思っています。夢は大きくとも言いますけど、まずは日本のベルトがほしい。日本人同士の試合って熱いじゃないですか。日本人に勝って、日本のベルトを巻くっていうことが僕の中でかっこよく、そして重い。獲ったときに次の目標が見えると思うので、目の前のタイトルを獲りにいきますよ。

上野則之 Ueno Noriyuki

1982 年3 月29 日、栃木県出身
身長162cm、試合体重57kg
戦績:28 戦14 勝10 敗4 分
RK ボクシングファミリー所属

RKボクシングファミリー

住所:東京都大田区蒲田5-20-7 K520ビル3F
アクセス:JR「蒲田」駅東口より徒歩5 分
TEL:03-6424-4422
URL:http://www.rk-boxing.com