第3回ボクシングナイト レポート

第3回ボクシングナイト スペシャルゲスト 八重樫 東(大橋ジム)
短パンにポロシャツに黒縁メガネをかけて元王者は現れた。

身長は、公称162cmしかないが、通常の体重は58㌔を越えていて、TシャツはLサイズかLLサイズしか入らない。肩の付近の盛り上がった筋肉は凄い。

「フィジカルトレーニングの成果?」

藤原俊志トレーナーが聞くと、八重樫は照れ笑いを浮べた。

「今回は1か月半しかやっていないんですけどね。3年計画のほんの1か月半です。

それでも、しんどさははんぱないっすからね。体はごつくなりました」

「緩くて深いボクシングナイト!」第3回のゲストは、つい6月にWBC世界ミニマム球王者の井岡一翔と、WBC、WBAの日本史上初の統一戦で、名勝負を演じた八重樫東(大橋ジム)である。

「トークは苦手なんですよ?」

そうエキスキューズしていたが、ユーモアをまじえながら、真摯に本音で語る、その姿に会場は多いに盛り上がった。

話題は、やはり、あの井岡戦である。

目がみるみると腫れて、ラウンドのインターバルの間に、チェックしにくる審判とドクターに大橋会長が「八重樫は、元々目が細いから、こんな感じなんだよ!」と、何度も説明して、試合続行をサポートした話や、実際は、ほとんど見えていないのに感覚だけで対応していた話、トレーナーのコーナーワークの話など、興味深い秘話を、随所に披露されて、実に内容の深いトークイベントとなった。

「子供にパパが強いところを見せたいというのも大きなモチベーションでした」という八重樫を、試合後に見た長男の第一声は「顔が怖い」だったとか。

「緩くて深いボクシングナイト」らしく、途中は、ラーメン談義もあって、会場は大爆笑。

恒例のお客さんとの質問コーナーでは、「井岡と再戦はしたいですか」という鋭い質問が飛んだ。

「もちろん、チャンスがあって、できるならば、どんな階級でも」

――もう井岡側が受けないのではないですか?と、論スポ編集長が突っ込んだが「いや、逆に受けるんじゃないですか。盛り上がったし、僕のこともわかったから」と、八重樫なりの見解を口にした。

「今度は負けません」

そう宣言すると、会場は大きな拍手で包まれた。

イベント終了後は、即席のサイン大会。すっかり目の腫れも治まっていた小さな巨人は、心優しき巨人であった。